<3年p.219>
2 三平方の定理の逆
Q Question
次の㋐,㋑,㋒の図について,[mathjax]\(\triangle ABC\)の各辺を1辺とする正方形の面積P,Q,Rの関係を,それぞれ調べてみましょう。
[mathjax]\(P+Q=R\)の関係が成り立つのは,[mathjax]\(\angle C = 90^{\circ}\)のときだけといえるのかな。
見方・考え方
いくつかの三角形を調べて,どんな性質があるか見つけられるかな。
目標 ▷ 三平方の定理が成り立つのは,直角三角形のときだけかどうか調べよう。
右下の図で,[mathjax]\(\triangle ABC\) の3辺の長さa,b,cの間に [mathjax]\(a²+b²=c²\) の関係が成り立つとき,[mathjax]\(\angle C=90^{\circ}\) である。このことは,
次のようにして証明することができる。
証明
[mathjax]\(EF=a\),[mathjax]\(FD=b\),[mathjax]\(\angle F=90^{\circ}\) である [mathjax]\(\triangle DEF\) をかき,[mathjax]\(DE=x\) とする。[mathjax]\(\triangle DEF\) は直角三角形であるから,
三平方の定理により, [mathjax]\(a²+b²=x² \quad \cdots \cdots\mathsf{①}\)
また,仮定から, [mathjax]\(\hspace{18pt}a²+b²=c² \quad \cdots \cdots\mathsf{②}\)
①,②から, [mathjax]\(\hspace{54pt}x²=c²\)
[mathjax]\(x \gt 0\),[mathjax]\(c \gt 0\) であるから, [mathjax]\(x=c\)
すなわち,[mathjax]\(\triangle ABC\) と [mathjax]\(\triangle DEF\) において,[mathjax]\(AB=DE\) ,[mathjax]\(BC=EF\) ,[mathjax]\(CA=FD\) となり,3組の辺がそれぞれ等しいから,[mathjax]\(\triangle ABC \equiv \triangle DEF\)
したがって,[mathjax]\(\angle C=\angle F=90^{\circ}\)
<3年p.220>
この定理により,三角形の3辺の長さがわかっていれば,それが直角三角形であるかどうかを調べることができる。
解答
[mathjax]\(a=1\),[mathjax]\(b=2\),[mathjax]\(c=\sqrt{5}\) とすると,
したがって,[mathjax]\(a²+b²=c²\) が成り立つ。
答 直角三角形といえる
EFが斜辺で,それに向かい合う[mathjax]\(\angle D\)が直角だね。
問 1 次の長さを3辺とする三角形㋐〜㋓のうち,直角三角形はどれですか。
㋐ 4cm,5cm,6cm
㋑ 8cm,15cm,17cm
㋒ 1cm,[mathjax]\(\sqrt{3}\)cm,2cm
㋓ [mathjax]\(\sqrt{6}\)cm,3cm,4cm
▲トライ 三平方の定理の逆を利用して,教室やグラウンドで1つの辺の長さが3mの直角三角形をつくるにはどうしたらよいか考えてみよう。
どんなことがわかったかな
三平方の定理の逆が成り立つことから,三角形の3つの辺の長さがわかれば,その三角形が直角三角形かどうか判断できます。
次の課題へ!
三平方の定理やその逆は,どんなところで使えるのかな?
P.222
<3年p.221>
ピタゴラス数 Tea Break
([mathjax] \(3\),[mathjax] \(4\),[mathjax] \(5\)),([mathjax] \(5\),[mathjax] \(12\),[mathjax] \(13\)),([mathjax] \(8\),[mathjax] \(15\),[mathjax] \(17\))のように,[mathjax]\(a²+b²=c²\)を成り立たせる自然数の組は,「ピタゴラス数」と呼ばれています。
ピタゴラス数(a,b,c)は,次の式で得られることが知られています。
2つの異なる自然数m,nで,[mathjax]\(m \gt n\)とすると,
[mathjax]\(a=m²-n²\),[mathjax]\(b=2mn\),[mathjax]\(c=m²+n²\)
これらの式で [mathjax]\(a²+b²=c²\) が成り立つことを確かめてみよう。
たとえば,[mathjax]\(m=2\),[mathjax]\(n=1\)をこれらの式に代入すると,
[mathjax]\(a=2²-1²=3\),[mathjax]\(b=2 \times 2 \times 1 =4\),[mathjax]\(c=2²+1²=5\)
となり,ピタゴラス数([mathjax]\(3\),[mathjax]\(4\),[mathjax]\(5\))が得られます。
m,nの値を自分で決めて,いろいろなピタゴラス数を求めてみましょう。
おしえて!
▷P.229
[mathjax]\(a³+b³=c³\)
[mathjax]\(a⁴+b⁴=c⁴\)
…
を成り立たせる自然数の組はあるのかな?