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<3年p.187>

6章 Chapter 6 円

1節 円周角と中心角
2節 円周角の定理の利用

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これまでに,三角形や四角形の性質を学んだね。

合同や相似という図形どうしの関係も学んだよ。

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これまでに,円の性質についても学んだね。

円には,ほかにどんな性質があるのかな。調べてみたいな。

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? 円にはどんな性質があるのかな?

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<3年p.188>

1節 円周角と中心角

何かきまりがあるのかな?

左の写真は,「糸かけ曼荼羅」と呼ばれているものです。
円周上にピンを等間隔に立てて,そこに糸をかけることで美しい図形をえがいています。
円周上にピンを等間隔に立て,そこに糸をかけて模様をつくってみましょう。

【1】 拓真さんは,ピンAを通る糸がつくる角を見て,あることに気づきました。どんなことに気づいたのか,話し合ってみましょう。

ピンが6本のとき
ピンが8本のとき
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<3年p.189>

【2】 美月さんは,ピンA,Bを通る糸がつくる角について,あることに気づきました。どんなことに気づいたのか,話し合ってみましょう。

ピンが6本のとき
ピンが8本のとき

【3】 [mathjax] \(1\),[mathjax] \(2\)で,角について気づいたことは,ピンが10本のときでもいえるでしょうか。次の図に,線を引いて確かめてみましょう。

ピンが10本のとき

となりどうしのピンじゃなくても,いえるのかな。

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ピンが等間隔になっていない場合は,どうなるのかな。

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次の課題へ!
円の中にできる角には,何かきまりがあるのかな?
P.190

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<3年p.190>

1 円周角の定理

 円周角

Q  Question

次の図のように,円Oの[mathjax]\(\stackrel{\huge\frown}{AB}\)を除いた円周上に点Pをとり,[mathjax]\(\angle APB\)をつくります。点Pの位置をいろいろ変えて,[mathjax]\(\angle APB\)の大きさを調べてみましょう。

見方・考え方 

点Pをいろいろな位置にとって,どんなきまりがあるか見つけられるかな。

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点Pの位置がどこでも[mathjax]\(\angle APB\)は同じ角度になるといえるのかな。

右の図のように,円Oの[mathjax]\(\stackrel{\huge\frown}{AB}\)に対して,[mathjax]\(\stackrel{\huge\frown}{AB}\)を除いた円周上に点Pをとるとき,[mathjax]\(\angle APB\)を[mathjax]\(\stackrel{\huge\frown}{AB}\)に対する円周角という。

 目標 ▷ 円周角について調べよう。

 円周角と中心角

 問 1  適当な半径の円Oをかき,中心角[mathjax]\(\angle AOB\)の大きさを決め,[mathjax]\(\stackrel{\huge\frown}{AB}\)を除いた円周上に点Pをとったときの円周角[mathjax]\(\angle APB\)の大きさを調べなさい。また,その結果から,円周角と中心角の間にはどんな関係があるかを予想しなさい。

中心角が[mathjax]\(180^{\circ}\)や[mathjax]\(180^{\circ}\)より大きい場合も調べてみよう。

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<3年p.191>

前ページのQや問1から,[mathjax]\(\stackrel{\huge\frown}{AB}\)に対する円周角[mathjax]\(\angle APB\)の大きさは一定で,その弧に対する中心角[mathjax]\(\angle AOB\)の半分であることが予想できる。

円周角[mathjax]\(\angle APB\)と中心角[mathjax]\(\angle AOB\)の位置関係は,次の図のように,3つの場合に分けることができる。

㋐ 中心Oが[mathjax]\(\angle APB\)の辺上にある。

㋑ 中心Oが[mathjax]\(\angle APB\)の内部にある。

㋒ 中心Oが[mathjax]\(\angle APB\)の外部にある。

上の㋐,㋑,㋒のそれぞれの場合について,[mathjax]\(\angle APB = \dfrac{1}{2} \angle AOB\)であることが証明できれば,[mathjax]\(\angle AOB\)は一定なので,[mathjax]\(\stackrel{\huge\frown}{AB}\)に対する円周角 [mathjax]\(\angle APB\) の大きさはすべて等しいことが証明されたことになる。

 説明する力をつけよう 

最初に,中心Oが[mathjax]\(\angle APB\)の辺上にある特別な場合の㋐から考えてみよう。 [mathjax]\(\angle APB = \dfrac{1}{2} \angle AOB\)を証明するには,どのようにすればよいだろうか。

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[mathjax]\(\triangle OPA\)に着目したらどうかな。

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三角形の内角と外角についての性質が使えそうだね。

三角形の内角や外角について,2年で学習したね。

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[mathjax]\(\angle OPA + \angle OAP = \angle AOB\)になるけど,このあとはどうすればいいのかな。

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 問 2  上の㋐の場合について,次のことを証明しなさい。

 [mathjax]\(\angle APB = \dfrac{1}{2} \angle AOB\)

<3年p.192>

次に,前ページの㋑の場合について,考えてみよう。
[mathjax]\(\angle APB = \dfrac{1}{2} \angle AOB\)を証明するには,どのようにすればよいだろうか。

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これまでにわかっていることを使って,考えられるといいね。

問2で証明した,特別な場合の㋐の証明が使えないかな。

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でも,このままだと㋐の場合の証明は,使えないよ。

補助線を引いたら,どうかな。

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なぜ,補助線を引くの?

補助線を引くことで,㋐の場合の証明が使えるようになるかもしれないから。

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なるほど,㋐の場合の証明が使えるようにするために,補助線を引くんだね。

どんな補助線を引けばいいかな。

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点AとBを直線で結んだらどうかな。

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それだと,㋐の場合の図が見えないね。

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点PとOを直線で結んだらどうかな。

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それでも,㋐の場合の図が見えないね。

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補助線を引いて,特別な場合の㋐の証明を活用して証明してみよう。

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<3年p.193>

 問 3  191ページの㋑の場合について,次のように,[mathjax]\(\angle APB = \dfrac{1}{2} \angle AOB\)であることを証明しました。[mathjax]\(\boxed{\phantom{000}}\)をうめて,証明を完成させなさい。

[証明]
点Pを通る直径PQを引き,
[mathjax]\(\angle APQ = \angle a\)とする。
[mathjax]\(\triangle OPA\)は二等辺三角形であるから,
[mathjax]\(\hspace{40pt}\angle OPA = \angle \boxed{\phantom{0000}} = \angle a\)
[mathjax]\(\angle AOQ\)は [mathjax]\(\triangle OPA\)の外角であるから, 

[mathjax]\(\hspace{40pt}\begin{eqnarray} \angle AOQ &=& \angle \boxed{\phantom{0000}} +\angle \boxed{\phantom{0000}}\\ &=& 2 \angle a \quad \cdots \cdots\mathsf{①} \end{eqnarray}\)

[mathjax]\(\angle BPQ = \angle b\)とすると,同様にして,
[mathjax]\(\hspace{43pt}\angle\boxed{\phantom{0000}} = 2 \angle b \quad \cdots \cdots\mathsf{②}\)
①,② から,

[mathjax]\(\hspace{40pt}\begin{eqnarray} \angle AOB &=& \angle AOQ + \angle BOQ \\ &=& 2 \angle a + 2 \angle b \\ &=& 2(\angle a + \angle b) \\ &=& 2\angle \boxed{\phantom{0000}}\end{eqnarray}\)

したがって,[mathjax]\(\angle APB = \dfrac{1}{2} \angle AOB\)

191ページの㋒の場合についても,問3と同じようにして,[mathjax]\(\angle APB = \dfrac{1}{2} \angle AOB\)であることを証明することができる。

補助線PQを引くと,191ページの㋐の証明が利用できるね。

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▲トライ 191ページの㋒の場合について,[mathjax]\(\angle APB = \dfrac{1}{2} \angle AOB\)であることを証明してみよう。

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<3年p.194>

これまで調べたことは,次のように定理としてまとめることができる。

定理
円周角の定理

❶ 1つの弧に対する円周角は,その弧に対する中心角の半分である。
[mathjax]\(\angle APB = \dfrac{1}{2} \angle AOB\)

❷ 1つの弧に対する円周角はすべて等しい。
[mathjax]\(\angle APB = \angle AQB\)

 例 1  ある弧に対する中心角が[mathjax]\(180^{\circ}\)のとき,その弧に対する円周角の大きさは,[mathjax]\(90^{\circ}\)である。

円周角の定理の特別な場合として,次のことが成り立つ。

半円の弧に対する円周角は[mathjax]\(90^{\circ}\)である。

ターレスの定理と呼ばれているよ。

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 問 4  次の図で,[mathjax]\(\angle x\),[mathjax]\(\angle y\)の大きさを求めなさい。

どんなことがわかったかな

円周角の定理が成り立つことから,いろいろな円周角や中心角を求めることができます。

次の課題へ!
1つの円周上では,1つの弧ではなくても,弧の長さが等しければ,その円周角も等しくなるのかな?
P.195