<2年p.180>
ふりかえり
【度数分布表】
階級と度数で資料の分布を示している表を度数分布表という。
ルーラーキャッチのデータ
【中央値】
データを大きさの順に並べたとき,中央にくる値。
【相対度数】
各階級の度数を総度数でわった値を,その階級の相対度数という。
【確率】
多数回の実験の結果,あることがらの起こる相対度数が一定の数値に近づくとき,その数値でことがらの起こりやすさを表すことができる。その数をそのことがらの起こる確率という。
ペットボトルのキャップを投げる実験をすると,どの向きが出る相対度数も,一定の数値に近づくことを確かめたね。
<2年p.183>
【1】 前ページのさいころを2つ同時に投げたとき,「1 等」と「はずれ」は次の㋐~㋕のうちのどれにすればよいでしょうか。それぞれ予想してみましょう。
㋐ [mathjax]\(\large{\boxed{A} \ \boxed{A}}\)
㋑ [mathjax]\(\large{\boxed{A} \ \boxed{B}}\)
㋒ [mathjax]\(\large{\boxed{A} \ \boxed{C}}\)
㋓ [mathjax]\(\large{\boxed{B} \ \boxed{B}}\)
㋔ [mathjax]\(\large{\boxed{B} \ \boxed{C}}\)
㋕ [mathjax]\(\large{\boxed{C} \ \boxed{C}}\)
1つのさいころには,面が6つあって,どの面の出やすさも同じといえそうだね。
1年のときのように,何回も実験すれば,面の出やすさを数で表せそうだね。
巻末④の展開図を組み立ててさいころを作り,実験してみよう。
【2】 1つのさいころで,6つの面がそれぞれ同じ確率で出ると仮定してよいでしょうか。また,そのように仮定した場合,「1 等」と「はずれ」は決められるか,話し合ってみましょう。
1つのサイコロなら,Cが出る確率はもっとも小さそうだよ。
さいころが2つあるときは,どう決めたらいいのかな。
次の課題へ!
実験をしなくても,確率は求められるのかな?
P.184
<2年p.184>
1 確率の求め方
Q Question
次の図は,実際にさいころを50回,100回,…と投げて,3の目が出た相対度数をグラフに表した1つの例である。
上のグラフで,はじめ大きく変動していた相対度数は,さいころを投げる回数が増えるにつれてあまり変動しなくなり,一定の数値[mathjax]\(0.17\)に近づいていく。この数値は,3の目が出ることの起こりやすさを表していると考えられる。したがって,3の目が出る確率は[mathjax]\(0.17\)と考えられる。
目標 ▷ 実験をせずに,確率を求める方法を考えよう。
<2年p.185>
正しくつくられたさいころを投げるとき,1から6までのどの目が出ることも,同じ程度に期待される。このようなとき,1から6までのどの目が出ることも同様に確からしいという。
1つのさいころを投げるとき,起こり得るすべての場合は6通りあるから,1から6までのどの目が出る確率も,それぞれ[mathjax]\(\dfrac{1}{6}\)である。
前ページの実験で得られた3の目の出る確率0.17は,[mathjax]\(\dfrac{1}{6}\)とほぼ等しい。
問 1 さいころを6回投げたとき,1の目は必ず1回出るといってよいですか。
問 3 身のまわりのことがらの中で,同様に確からしいといえる例をあげなさい。
<2年p.186>
起こり得るすべての場合が同様に確からしいとするとき,あることがらが起こる確率は,次のようにして求めることができる。
確率の求め方
起こり得る場合が全部でn通りあり,そのどれが起こることも同様に確からしいとする。
そのうち,あることがらの起こる場合がa通りあるとき,そのことがらの起こる確率pは次のようになる。
[mathjax]\(p=\dfrac{a}{n}\)
注意 pはprobability(確率)の頭文字である。
例 2 ジョーカーを除く52枚のトランプを裏返しにしてよく混ぜ,その中から1枚を引くとき,カードのマークが♥である確率を求めなさい。
考え方 52枚のトランプのどのカードを引くことも同様に確からしい。52枚のうち,♥のマークのカードは13枚あることから,確率を求める。
解答
起こり得る場合が全部で 52 通りあり, どのカードを引くことも同様に確からしい。
このうち,♥のマークのカードを引く場合は 13 通りであるから, 求める確率は
次のようになる。
[mathjax]\(\dfrac{13}{52}=\dfrac{1}{4}\)
答 [mathjax]\(\dfrac{1}{4}\)
<2年p.187>
Q Question
【Q】で,Aの袋では,どの玉を取り出しても決して白玉は出ないから,白玉の出る確率は [mathjax]\(\dfrac{0}{4}=0\)である。
また,Eの袋では,どの玉を取り出しても必ず白玉が出るから,白玉の出る確率は [mathjax]\(\dfrac{4}{4}=1\) である。
それ以外の袋では,白玉の出る確率は0から1の間の数で表される。
あることがらの起こる確率をpとすると,pの範囲は次のようになる。
[mathjax]\(0 \leqq p \leqq 1\)
また,[mathjax]\(p=0\)のとき,そのことがらは決して起こらない。
[mathjax]\(p=1\)のとき,そのことがらは必ず起こる。
問 6 確率が[mathjax] \(0\),[mathjax] \(1\)になることがらの例を,それぞれあげなさい。
Q Question
さいころを投げるとき,次の確率を求めてみましょう。また,その結果から,どのようなことがわかるか話し合ってみましょう。
⑴ 6の目が出る確率
⑵ 6の目が出ない確率
6の目が出る場合は1通りで,出ない場合は5通りだね。
そのほかの場合はあるのかな。
見方・考え方
確率には,どんな性質があるか見つけられるかな。
<2年p.188>
1個のさいころを投げるとき,6の目が出る場合は,「6」の1通りであるから,6の目が出る確率は[mathjax]\(\dfrac{1}{6}\)である。一方,6の目が出ない場合は,「1」「2」「3」「4」「5」の5通りであるから,6の目が出ない確率は[mathjax]\(\dfrac{5}{6}\)である。
したがって,6の目が出る確率と6の目が出ない確率の和は,
[mathjax]\(\dfrac{1}{6}+\dfrac{5}{6}=1\)
である。すなわち,次のことがいえる。
[mathjax]\(\text{(6の目が出ない確率)}=1-\text{(6の目が出る確率)}\)
あることがらAの起こる確率がpであるとき,Aの起こらない確率は,[mathjax]\(1-p\)である。
問 7 あるくじを1本引くとき,当たる確率は[mathjax]\(\dfrac{3}{20}\)です。このくじを1本引くとき,はずれる確率を求めなさい。
問 8 1から50までの整数を1つずつ書いた50枚のカードの中から1枚を取り出すとき,カードの数が素数である確率と素数でない確率を,それぞれ求めなさい。
▲トライ 拓真さんは,美月さんとじゃんけんをするとき,次のようにいいました。
「じゃんけんは,グー,チョキ,パーの3通りだから,美月さんは[mathjax]\(\dfrac{1}{3}\)の確率でグーを出す。」
この考え方は正しいといえるかどうか説明してみよう。
どんなことがわかったかな
起こり得るすべての場合が同様に確からしいとするとき,全部の数と場合の数を求めることで,実験をしなくても確率を求めることができます。また,確率の範囲は,0以上1以下になります。
次の課題へ!
さいころを2つ投げた場合や硬貨を2枚投げた場合の確率も求められるのかな?
P.189