<1年p.97>
【1】 4人が持っているクリップと1円玉の重さを天びんで比べると,次の❶ 〜❸ のような状態になりました。このことから,4人の中では誰のものがもっとも重いといえるでしょうか。また,誰のものがもっとも軽いといえるでしょうか。
【2】 【1】では,誰のものがもっとも軽いかがわかりませんでした。4人の持っているクリップと1円玉の重さを比べるには,どうすればよいでしょうか。
【3】 1円玉1枚の重さは1 g です。クリップ1 個の重さを求めるには,どうすればよいでしょうか。
クリップ1個の重さをxg として,計算すればいいよ。
一人ひとりの重さは文字式で表せるけど,2つの数量の関係をどう表せばいいのかな。
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2つの数量の関係を,文字を使った式で表すにはどうすればいいのかな?
P.98
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クリップ1個の重さは,どうすれば求められるのかな?
P.102,104
<1年p.98>
1 等式と不等式
Q Question
前ページの【1】 ❶ ,❷の天びんについて,2つの数量の重さの関係を式で表すにはどうしたらよいか考えてみましょう。クリップ1個の重さをxg,1円玉1枚の重さを1g として考えてみましょう。
2つの数の関係は,等号や不等号を使って表したね。
2つの数量の関係も,等号や不等号を使って表せるのかな。
見方・考え方
数量の関係も,数と同じように式で表せるかな。
目標 ▷ 2つの数量の関係を式で表そう。
このように,不等号を使って数量の関係を表した式を 不等式 という。
このように,等号を使って数量の関係を表した式を 等式 という。
<1年p.99>
例 1 入館料が,大人1人a円,子ども1人b円 の科学館に行きました。次の⑴,⑵の数量の関係を,等式や不等式で表すと,次のようになる。
⑴ 「大人1人と子ども2人の入館料を払うと,1000円でおつりがあった。」
このことを図に表すと,
[mathjax]\((\text{大人}1\text{人の入館料})+(\text{ 子ども2人の入館料})\lt 1000\text{円}\)
したがって,[mathjax]\(a+2b \lt 1000\) と表すことができる。
⑵ 「大人3人と子ども2人の入館料の合計は1500円だった。」このことを図に表すと,
[mathjax]\((\text{大人}3\text{人の入館料})+(\text{ 子ども2人の入館料})= 1500\text{円}\)
したがって,[mathjax]\(3a+2b=1500\)と表すことができる。
<1年p.100>
問 2 次の数量の関係を,等式や不等式で表しなさい。
⑴ 1本a円の鉛筆3本と1個b円の消しゴム2個の代金の合計は,300円より高い。
⑵ 1個3 kg の荷物a個と1個5 kg の荷物b個の重さの合計は,40 kg である。
⑶ 3600 m の道のりを分速x m で走ると,かかった時間は15分未満だった。
⑷ ある数xの3倍に5を加えると,17になる。
ふりかえり 小学校4年
a未満 … aより小さい。
数量の関係が,
「aはb以上」であることを,[mathjax]\(a \geqq b\),
「cはd以下」であることを,[mathjax]\(c \leqq d\)
と表す。記号 [mathjax]\(\geqq\),[mathjax]\(\leqq\) も不等号といい,これらの記号を使って数量の関係を表した式も不等式という。
ふりかえり 小学校4年
a以上 … ちょうどa, またはaより大きい。
a以下 … ちょうどa,またはaより小さい。
注意 [mathjax]\(a \geqq b\)は,[mathjax]\(a \gt b\)または[mathjax]\(a=b\)を1つにまとめたもの,[mathjax]\(c \leqq d\)は,[mathjax]\(c \lt d\)または[mathjax]\(c=d\)を1つにまとめたものである。
<1年p.101>
問 3 次の数量の関係を,不等式で表しなさい。
⑴ 男子a人と女子b人の人数の合計は,30人以上であった。
⑵ 1本40円の鉛筆 a本と1冊180円のノート1冊を買ったときの代金の合計が,500円以下であった。
⑶ 長さx m の紙テープを5等分したところ,1本分の長さは2 m 以上になった。
⑷ a人の参加者のうち25人が帰ったので,残った人数は10人以下になった。
等式や不等式の表している数量
問 4 ある植物園の入園料は,大人1人がx円,中学生1人がy円です。このとき,次の等式や不等式がどんな数量の関係を表しているか答えなさい。
⑴ [mathjax]\(2x+y=1250\)
⑵ [mathjax]\(3x \gt 5y\)
どんなことがわかったかな
数の大小関係を等号や不等号を用いて表したように,文字式で表された2つの数量の大小関係も,等号や不等号を用いて表すことができます。