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<3年p.116>

3 関数 [mathjax]\(y=ax²\) の値の変化

Q  Question

関数 [mathjax]\(y=x²\) では,xの値が増加するにつれて,それに対応するyの値はどのように変化しているでしょうか。109ページのグラフを使って調べてみましょう。

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1次関数のグラフとは,どんなところがちがうのかな。

見方・考え方 

グラフのどこに着目して考えればいいかな。

 目標 ▷ グラフをもとにして,関数 [mathjax]\(y=ax²\) の値の変化について調べよう。

[mathjax]\(y=x²\) では,xの値が増加するにつれて,それに対応するyの値は次のように変化する。
⑴ [mathjax]\(x \lt 0\) のとき,yの値は減少する。
⑵ [mathjax]\(x \gt 0\) のとき,yの値は増加する。
⑶ [mathjax]\(x=0\) のとき [mathjax]\(y=0\) になり,yの値は減少から増加に変わる。このとき,yは最小値0をとる。

 問 1  関数[mathjax]\(y=\dfrac{1}{2}x²\)では,xの値が増加するにつれて,それに対応するyの値はどのように変化しますか。109ページの図にかき入れたグラフを使って調べなさい。

 問 2  関数[mathjax]\(y=-x²\)では,xの値が増加するにつれて,それに対応するyの値はどのように変化しますか。

[mathjax]\(y=-x²\) では,[mathjax]\(x=0\) のとき [mathjax]\(y=0\) となり,yの値は増加から減少に変わる。このとき,yは最大値0をとる。

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<3年p.117>

関数[mathjax]\(y=ax²\)で,xの変域が限られている場合のyの変域を調べてみよう。

 例 1  関数[mathjax]\(y=\dfrac{1}{4}x²\)で,xの変域が[mathjax]\(-2 \leqq x \leqq 4\)のときのyの変域を求めなさい。

 考え方  グラフを使って,xの変域におけるyの値の変化を調べる。

解答

[mathjax] \( x \) の変域が [mathjax] \( -2 \leqq x \leqq 4 \) のとき,

[mathjax] \( y=\dfrac{1}{4}x² \) のグラフは右の図の実線の部分になる。

[mathjax] \(-2 \leqq x \leqq 0\) のとき,[mathjax] \( y \) の値は1 から0まで減少する。

[mathjax] \( 0 \leqq x \leqq 4\) のとき,[mathjax] \( y \) の値は

0から4 まで増加する。

したがって, [mathjax] \( y \)  の変域は,
  [mathjax] \(0 \leqq y \leqq 4\)

答 [mathjax] \( 0 \leqq y \leqq 4\)

[mathjax]\(x=-2\)のときのyの値は,最小値にはならないね。

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 問 3  [mathjax]\(y=\dfrac{1}{4}x²\)で,xの変域が次の⑴,⑵のときのyの変域を求めなさい。

⑴ [mathjax]\(-4 \leqq x \leqq 2\)

⑵ [mathjax]\(2 \leqq x \leqq 6\)

 問 4  次の関数で,xの変域が [mathjax]\(-2 \leqq x \leqq 3\) のときのyの変域を求めなさい。

⑴ [mathjax]\(y=3x²\)

⑵ [mathjax]\(y=-\dfrac{1}{2}x²\)

[mathjax] \(109\),[mathjax] \(112\)ページにかき入れたグラフを利用しよう。

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<3年p.118>

 変化の割合

Q  Question

1次関数[mathjax]\(y=2x+3\)の変化の割合は,2で一定でした。関数[mathjax]\(y=x²\)の変化の割合について,109ページの図を使って調べてみましょう。

見方・考え方 

1次関数と同じように,グラフをもとにして考えられるかな。

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1次関数と同じように,つねに変化の割合は一定になるのかな。

ふりかえり▷2年

[mathjax]\((\mathsf{変化の割合})=\dfrac{(y \mathsf{の増加量})}{(x \mathsf{の増加量})}\)

関数[mathjax]\(y=x²\)で,xの値が[mathjax] \(-3\)から3まで1ずつ増加するとき,yの増加量は,次の表で示すように,[mathjax] \(-5\),[mathjax] \(-3\),[mathjax] \(-1\),[mathjax] \(1\),[mathjax] \(3\),[mathjax] \(5\)となる。

したがって,[mathjax]\(y=x²\)の変化の割合は一定ではない。

反比例も変化の割合が一定ではなく,グラフが曲線だったね。

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 問 5  [mathjax]\(y=x²\) について,次の問いに答えなさい。

⑴ [mathjax]\(x \lt 0\)のときと[mathjax]\(x \gt 0\)のときでは,変化の割合にどんなちがいがありますか。

⑵ xの値の絶対値が大きくなるにつれて,yの値の変化のしかたはどのように変わりますか。

 問 6  関数[mathjax]\(y=-x²\)について対応の表をつくり,問5と同じことを調べなさい。

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<3年p.119>

 例 2  関数[mathjax]\(y=\dfrac{1}{2}x²\)で,xの値が2から4まで増加するときの変化の割合を求めなさい。

解答

[mathjax] \(x=2\) のとき,

[mathjax] \(\hspace{55pt}\begin{eqnarray} y &=& \frac{1}{2}\times 2² \\ &=& 2\end{eqnarray}\)

[mathjax] \(x=4\) のとき,

[mathjax] \(\hspace{55pt}\begin{eqnarray} y &=& \frac{1}{2}\times 4² \\ &=& 8\end{eqnarray}\)

したがって, 変化の割合は,

[mathjax]\(\hspace{10pt}\begin{eqnarray} \dfrac{(y\mathsf{の増加量})}{(x\mathsf{の増加量})} &=& \dfrac{8-2}{4-2} \\ &=& \dfrac{6}{2} \\ &=& 3 \end{eqnarray}\)

答 3

例2の図で,2点 A[mathjax] \((2,2)\),B[mathjax] \((4,8)\)を通る直線の傾きは[mathjax]\(\dfrac{CB}{AC}\)である。すなわち,xの値が2から4まで増加するときの変化の割合が,この直線の傾きを表している。

 問 7  [mathjax]\(y=\dfrac{1}{2}x²\)で,xの値が次のように増加するときの変化の割合を求めなさい。

⑴ 4から6まで

⑵ [mathjax] \(-4\)から[mathjax] \(-2\)まで

 問 8  関数[mathjax]\(y=-2x²\)で,xの値が次のように増加するときの変化の割合を求めなさい。

⑴ 2から5まで

⑵ [mathjax] \(-3\)から0まで

これまで調べてきたように,関数[mathjax]\(y=ax²\)の変化の割合は,1次関数と異なり,一定ではない。

どんなことがわかったかな

関数[mathjax]\(y=ax²\)の変化の割合は一定ではなく,[mathjax]\(x=0\)を境としてyの値は増加と減少が変わります。

次の課題へ!
関数[mathjax]\(y=ax²\)の変化の割合には,どんな意味があるのかな?
P.120

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<3年p.120>

 平均の速さ

Q  Question

左の写真のように,空中で物を落下させたとき,落下した距離は時間の2乗に比例し,落下し始めてからx秒間にym 落下したとすると, xとyの間には,[mathjax]\(y=4.9x²\)の関係があることが知られています。
次の表のxの値に対応するyの値を求め,表を完成させましょう。また,変化の割合はどんなことを表しているか話し合ってみましょう。

[mathjax]\(\begin{array}{c|c c} \hline x\mathsf{(秒)} & 0 & 1 & 2 & 3 & 4 & 5 & \cdots\\ \hline y\mathsf{(m)} & 0 & 4.9 & & & & & \cdots\\ \hline \end{array}\)

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時間の経過とともに,同じ時間に落下する距離は増えるけど,変化の割合と何か関係があるのかな。

見方・考え方 

いろいろな場合を調べて考えられるかな。

 目標 ▷ 物が落下するときの関数[mathjax]\(y=4.9x²\)の変化の割合が,どんな意味をもつのかを考えよう。

物が落下するときの平均の速さは,次の式で求めることができる。

[mathjax]\((\mathsf{平均の速さ})= \dfrac{(\mathsf{落下した距離})}{(\mathsf{落下した時間})}= \dfrac{(y\mathsf{の増加量})}{(x\mathsf{の増加量})}\)

したがって,[mathjax]\(y=4.9x²\)の変化の割合は,平均の速さを表している。平均の速さを求めると,次のようになる。

0秒後~1秒後  [mathjax]\(\dfrac{4.9-0}{1-0}=4.9\)    [mathjax]\(4.9\)m/s

1秒後~2秒後  [mathjax]\(\dfrac{19.6-4.9}{2-1}=14.7\)   [mathjax]\(14.7\)m/s

 問 9  【Q】について,次の平均の速さを求めなさい。

⑴ 2秒後 ~3秒後

⑵ 3秒後 ~4秒後

⑶ 4秒後 ~5秒後

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発展 高等学校

▲トライ 上のように,1秒後 ~2秒後の平均の速さは[mathjax]\(14.7\)m/sでしたが,
 1秒後~[mathjax]\(1.1\)秒後,1秒後 ~[mathjax]\(1.01\)秒後,…
と時間の幅を短くしていくと,平均の速さはどのように変化するかを調べよう。また,その結果から1秒後の瞬間の速さを予想してみよう。

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<3年p.121>

 関数[mathjax]\(y=ax+b\)と関数[mathjax]\(y=ax²\)の特徴の比較

 問 10  次の[mathjax]\(\boxed{\phantom{000}}\)をうめて,表を完成させなさい。

どんなことがわかったかな

関数[mathjax]\(y=4.9x²\)の変化の割合は一定ではなく,物が落下するときの平均の速さを表しています。

次の課題へ!
身のまわりで,関数[mathjax]\(y=ax²\)の関係にあることがらは,ほかにもあるのかな?
P.122