gkt-horizontal-line

<3年p.107>

2 関数[mathjax]\(y=ax²\)のグラフ

 [mathjax]\(y=x²\)のグラフ

Q  Question

関数[mathjax]\(y=x²\)について,次の表を完成させて,対応するx,y­の値の組を座標とする点を,下の図にかき入れてみましょう。
また,グラフがどんな形になるか考えてみましょう。

[mathjax]\( \begin{array}{c|c c} \hline x & \cdots & -4 & -3 & -2 & -1 & \ 0 \ & \ 1 \ & \ 2 \ & \ 3 \ & 4 &\cdots\\ \hline y & \cdots & & & & & 0 & 1 & 4 & 9 & 16 &\cdots\\ \hline \end{array}\)

見方・考え方 

これまでと同じように,いくつか点をとって考えられるかな。

avatar

関数[mathjax]\(y=x²\)では,yの値は0以上になるね。

グラフは,直線ではなさそうだけど,曲線になるのかな。

avatar

 目標 ▷ 関数[mathjax]\(y=ax²\)のグラフや,その特徴について調べよう。

【Q】 でかき入れた点は,一直線上には並ばない。さらに多くの点をとり,どんなグラフになるかを調べてみよう。

gkt-horizontal-line

<3年p.108>

 問 1  [mathjax]\(y=x²\)で,xの値を[mathjax] \(-1\)から1まで[mathjax]\(0.1\)おきにとってyの値を求め,次の表を完成させなさい。また,対応するx,yの値の組を座標とする点を下の図にかき入れなさい。

[mathjax]\(\begin{array}{l}\begin{array}{c|cc} \hline x & -1 & -0.9 & -0.8 & -0.7 & -0.6 & -0.5 & -0.4 & -0.3 & -0.2 & -0.1\\ \hline y & & & & & & & & & & \\ \hline \end{array}\\ \begin{array}{ccc} \hline 0 & \ 0.1 & \ \ 0.2 & \quad 0.3 & \ \ \ 0.4 & \ \ \ 0.6 & \ \ \ 0.7 \ \ \ & 0.8 \ \ \ & 0.9 \ \ \ & \ \ 1\\ \hline & \\ \hline \end{array}\ \end{array}\)

[mathjax]\(y=x²\)で,さらに多くの点をとっていくと,点の集合は1つのなめらかな曲線になる。原点の付近をさらに拡大すると,次の図のようになる。

gkt-horizontal-line

<3年p.109>

関数 [mathjax]\(y=x²\) のグラフは,次の図のような,なめらかな曲線になる。

gkt-horizontal-line

<3年p.110>

 [mathjax]\(a\gt 0\)のときの[mathjax]\(y=ax²\)のグラフ

Q  Question

関数[mathjax]\(y=2x²\)について,次の問いに答えましょう。

⑴ 次の表を完成させましょう。

[mathjax]\(\begin{array}{c|c c} \hline x & \cdots & -2 & -1.5 & -1 & -0.5 & 0 & 0.5 & 1 & 1.5 & 2 & \cdots\\ \hline x² & \cdots & & & & & & & & & & \cdots\\ \hline y & \cdots & & & & & & & & & & \cdots\\ \hline \end{array}\)

⑵ 上の表をもとに,[mathjax]\(y=2x²\)のグラフを,前ページの図にかき入れ,[mathjax]\(y=x²\)のグラフと比べてみましょう。

avatar

比例[mathjax]\(y=ax\)のグラフは,比例定数aが変わると傾きが変わったね。

関数[mathjax]\(y=ax²\)のグラフは,比例定数aが変わると何が変わるのかな。

avatar

見方・考え方 

比例定数が1でないときは,どんなグラフになるかな。

【Q】 の表で,それぞれのxの値に対応するyの値は,x²の値の2倍になっている。
[mathjax]\(y=2x²\)のグラフは右の図のようになり,このグラフ上の点は,[mathjax]\(y=x²\)のグラフ上の各点のy座標を2倍にした点であることがわかる。

 問 2  [mathjax]\(y=x²\)のグラフをもとにして,次の関数のグラフを,前ページの図にかき入れなさい。

⑴ [mathjax]\(y=3x²\)

⑵ [mathjax]\(y=\dfrac{1}{2}x²\)

 問 3  [mathjax]\(a \gt 0\)のとき,関数[mathjax]\(y=ax²\)のグラフにはどんな特徴があるといえるか話し合いなさい。

どのグラフにも共通することは何かな。

avatar

gkt-horizontal-line

<3年p.111>

 [mathjax]\(a \lt 0\)のときの[mathjax]\(y=ax²\)のグラフ

Q  Question

関数[mathjax]\(y=-x²\)について,次の問いに答えましょう。

⑴ 次の表を完成させましょう。

[mathjax]\(\begin{array}{c|c c} \hline x & \cdots & -4 & -3 & -2 & -1 & 0 & 1 & 2 & 3 & 4 & \cdots\\ \hline x² & \cdots & & & & & & & & & & \cdots\\ \hline y & \cdots & & & & & & & & & & \cdots\\ \hline \end{array}\)

⑵ 上の表をもとに,[mathjax]\(y=-x²\)のグラフを,次ページの図にかき入れ,[mathjax]\(y=x²\)のグラフと比べてみましょう。

avatar

どちらのグラフも原点を通っているね。

2つのグラフはどんな関係にあるのかな。

avatar

見方・考え方 

比例定数が負の数のときは,どんなグラフになるかな。

【Q】 の表で,それぞれの[mathjax]\(x\)の値に対応する[mathjax]\(y\)の値は,[mathjax]\(x²\)の値と絶対値が等しく,符号が反対になっている。
[mathjax]\(y=-x²\)のグラフは右の図のようになり,このグラフ上の点は, [mathjax]\(y=x²\)のグラフ上の各点とx軸について対称な点である。
したがって,[mathjax]\(y=x²\)のグラフと [mathjax]\(y=-x²\)のグラフは,x軸について対称な曲線となる。

 問 4  [mathjax]\(y=\dfrac{1}{2}x²\)のグラフをもとにして,[mathjax]\(y=-\dfrac{1}{2}x²\)のグラフを,次ページの図にかき入れなさい。

 問 5  [mathjax]\(a \lt 0\)のとき, 関数[mathjax]\(y=ax²\)のグラフにはどんな特徴があるといえるか話し合いなさい。また,[mathjax]\(a \gt 0\)のときのグラフと比べなさい。

gkt-horizontal-line

<3年p.112>

gkt-horizontal-line

<3年p.113>

これまで調べたことは,次のようにまとめることができる。

関数[mathjax]\(y=ax²\)のグラフ
関数[mathjax]\(y=ax²\)のグラフには,次の特徴がある。
① 原点を通り,y軸について対称な曲線である。
② [mathjax]\(a \gt 0\)のとき,上に開いている。
  [mathjax]\(a \lt 0\)のとき,下に開いている。
③ aの絶対値が大きいほど,グラフの開き方は小さい。
④ [mathjax]\(y=ax²\)のグラフと[mathjax]\(y=-ax²\)のグラフは,x軸について対称である。

関数[mathjax]\(y=ax²\)のグラフの曲線は,放物線と呼ばれる。放物線には対称の軸があり,放物線と対称の軸との交点を放物線の頂点という。 [mathjax]\(y=ax²\)のグラフは,y軸を対称の軸,原点を頂点とする放物線である。

 問 6  右の図の①~④の放物線は,次の㋐〜㋓の関数のグラフです。①~④は,それぞれどの関数のグラフですか。また,その理由を説明しなさい。

㋐ [mathjax]\(y=\dfrac{1}{3}x²\)

㋑ [mathjax]\(y=-x²\)

㋒ [mathjax]\(y=3x²\)

㋓ [mathjax]\(y=-\dfrac{1}{3}x²\)

どんなことがわかったかな

関数[mathjax]\(y=ax²\)のグラフは,原点を通り,y軸について対称な放物線になります。

次の課題へ!
グラフをもとにして,関数[mathjax]\(y=ax²\)の変化のしかたについて,もっと調べられるかな?
P.116

gkt-horizontal-line

<3年p.114>

逆関数 発展 高等学校 Tea Break

xの値を決めると,それに対応するyの値がただ1つ決まるとき,yはxの関数であるといいます。
たとえば,1次関数[mathjax]\(y=x+1\) はxを決めると,それに対応するyの値はただ1つに決まります。
それでは逆に,yの値を決めると,それに対応するxの値もただ1つに決まるでしょうか。

右上のグラフからもわかるように,1次関数[mathjax]\(y=x+1\)では,yの値を決めると,それに対応するxの値もただ1つに決まります。

同じように,関数[mathjax]\(y=x²\)について,yの値を決めると,それに対応するxの値がただ1つに決まるか調べてみましょう。

右下のグラフからもわかるように,関数[mathjax]\(y=x²\)では,yの値を決めても,それに対応するxの値がただ1つに決まりません。

1次関数[mathjax]\(y=x+1\)のように,yの値を決めると,それに対応するxの値もただ1つに決まるとき,逆関数が存在するといいます。関数[mathjax]\(y=x²\)の場合,yの値を決めても,それに対応するxの値がただ1つに決まらないので,逆関数は存在しません。

gkt-horizontal-line

<3年p.115>

身近に見られる放物線 Tea Break

投げ上げたボールや飛行機の先端部など,放物線は身のまわりのいろいろなところで見ることができます。
広島県の因島大橋や東京都のレインボーブリッジは巨大なつり橋として有名です。つり橋は2本の橋脚の間にケーブルを張り,ケーブルで橋全体の重さを支える構造になっています。くさりの両端を固定して自然に垂れ下げると,くさりは懸垂線と呼ばれる放物線に似た形になりますが,因島大橋などのように重量の大きいつり橋では,ケーブルは放物線をえがくことが知られています。

懸垂線
パラボラアンテナ(山口県山口市)

衛星放送を受信するパラボラアンテナの「パラボラ」( parabola )は,「放物線」を意味しています。パラボラアンテナは,放物線が対称の軸のまわりを回転してできた面(放物面)を利用しています。遠方から対称の軸に平行に届いた電波はこの面に当たって反射し,1点に集められます。そこに受信機を設置することにより,効率よく電波を集めることができます。

 身のまわりから放物線を探してみましょう。