<3年p.91>
2節 2次方程式の利用
2次方程式が使えるかな?
方程式を作って,それを解けばいいね。
[mathjax] \(1\),[mathjax] \(2\)年のとき,方程式を利用して問題を解く手順があったね。
次のような手順で,問題を解く。
① 図や表,ことばの式などを使って,数量関係を見つける。
② 文字を使って方程式をつくる。
③ 方程式を解く。
④ 方程式の解が問題に適しているかどうかを確かめ,適していれば問題の答えとする。
1次方程式や連立方程式を利用して問題を解く手順と同じだね。
どんな式をつくることができるかな。
次の課題へ!
身のまわりの問題を2次方程式を使って,解くことができるのかな?
P.92
<3年p.92>
1 2次方程式の利用
目標 ▷ 2次方程式を利用して,身のまわりの問題を解決しよう。
例 2 連続する2つの整数があります。それぞれを2乗した数の和が85になるとき,この2つの整数を求めなさい。
解答
小さい方の整数をxとすると,大きい方の整数は[mathjax]\(x+1\)と表される。
[mathjax]\(\hspace{59pt}x²+(x+1)²=85\)
これを解くと,
[mathjax]\(x=6\)のとき,2つの整数は,[mathjax] \(6\),[mathjax] \(7\)
[mathjax]\(x=-7\)のとき,2つの整数は,[mathjax] \(-7\),[mathjax] \(-6\)
これらは,どちらも問題に適している。
答 [mathjax] \(6\),[mathjax] \(7\)と[mathjax] \(-7\),[mathjax] \(-6\)
<3年p.93>
問 2 前ページの例2で,大きい方の整数をxとして方程式をつくり,答えを求めなさい。また,「連続する2つの整数」を「連続する2つの自然数」に変えると,答えはどうなりますか。
問 3 連続する2つの自然数があります。大きい方の数の2乗から,小さい方の数の2倍をひいた差は26になります。この2つの自然数を求めなさい。
方程式をつくって問題を解くときには,前ページの例1や問2, 問3のように,方程式の解がそのまま問題の答えにならない場合がある。
考え方 2つの正方形の面積の和が52cm²であることから,点Pが動いた距離をx cmとして,PBをxを使って表し,方程式をつくる。
解答
点Pが動いた距離APをxcmとすると,[mathjax]\(PB=(10-x)\) cm
2つの正方形の面積の和が52cm²であることから,
[mathjax]\(\hspace{58pt}x²+(10-x)²=52\)
これを解くと,
[mathjax]\(0\leqq x \leqq 10\)であるから,どちらも問題に適している。
答 4 cm,6 cm
問 4 例3で,2つの正方形の面積の和が70cm²になるのは,点Pが何cm動いたときですか。
どんなことがわかったかな
身のまわりの問題の中には,数量の関係から2次方程式をつくり,2次方程式を利用して解決することができる問題があります。ただし,方程式の解が問題に適しているかどうかを,変域などを考えて確かめる必要があります。
<3年p.94>
どれが解きやすい? Tea Break
[mathjax]\((x-3)²=25\)の解き方について考えてみましょう。
拓真さんは,次のように,「因数分解を使った解き方」で解きました。
左辺を展開して整理すると,
[mathjax]\(\hspace{9pt}x²-6x-16=0\)
左辺を因数分解すると,
[mathjax]\((x-8)(x+2)=0\)
[mathjax]\(x-8=0\) または [mathjax]\(x+2=0\)
[mathjax]\(x=8\),[mathjax]\(x=-2\)
答 [mathjax]\(x=8,x=-2\)
① 「平方根の考えを使った解き方」,「解の公式を使った解き方」でも解いてみましょう。
② 3つの解き方のうち,どの方法が解きやすいと思いますか。自分の考えを説明してみましょう。
因数分解の解き方の方が簡単でいいな。
どんな方程式でも解けるから解の公式がいいな。
<3年p.95>
3章 「2次方程式」を学んで
できるようになったこと 身のまわりの課題へ ▷ P.98
2次方程式を,因数分解や平方根の考えを使って解くことができる。
平方根の考えを使って解の公式を導き,それを使って解を求めることができる。
身のまわりや数学の中から見つけた問題を,2次方程式を使って解決することができる。また,方程式の解が問題に適しているかどうかを確かめることができる。
さらに学んでみたいこと
これからもっと学んでみたいことや,疑問に思ったことを書いておこう。
数学へのいざない 小学生のガウス
ドイツの数学者ガウスには,小学生のとき,先生から出された「1から100までのすべての自然数の和はいくつか」という問題を,次のような計算ですぐに解いてしまったというエピソードが残っています。
[mathjax]\(101 \times 100 \div 2 = 5050\)
答 5050
⑴ 1からnまでの自然数の和はいくつでしょうか。この計算方法を使って求めてみましょう。
⑵ 1からnまでの自然数の和が78になるのは,nがいくつのときでしょうか。