gkt-horizontal-line

<3年p.91>

2節 2次方程式の利用

2次方程式が使えるかな?

美化委員会の活動で,縦8m,横10mの長方形の土地に花だんをつくることになりました。

【1】 この長方形の土地に,幅が一定の道をつくりたいと思います。花だんの面積を48m²にするには,道の幅を何mにすればよいですか。

方程式を作って,それを解けばいいね。

avatar

avatar

[mathjax] \(1\),[mathjax] \(2\)年のとき,方程式を利用して問題を解く手順があったね。

次のような手順で,問題を解く。
① 図や表,ことばの式などを使って,数量関係を見つける。
② 文字を使って方程式をつくる。
③ 方程式を解く。
④ 方程式の解が問題に適しているかどうかを確かめ,適していれば問題の答えとする。

1次方程式や連立方程式を利用して問題を解く手順と同じだね。

avatar

avatar

どんな式をつくることができるかな。

次の課題へ!
身のまわりの問題を2次方程式を使って,解くことができるのかな?
P.92

gkt-horizontal-line

<3年p.92>

1 2次方程式の利用

 目標 ▷ 2次方程式を利用して,身のまわりの問題を解決しよう。

 例 1  前ページの 【1】 の問題を解きなさい。

解答

道の幅をxmとすると,

[mathjax]\(\hspace{48pt}(8-x)(10-x)=48\)
これを解くと,

[mathjax]\(\hspace{49pt}\begin{eqnarray} x²-18x+32 &=& 0\\ (x-2)(x-16) &=& 0\\ x=2,x=16 \quad & & \end{eqnarray}\)

[mathjax]\(0 \lt x \lt 8\)であるから,
[mathjax]\(x=2\)は問題に適しているが,[mathjax]\(x=16\)は適していない。 

答 2m

 問 1  右の図のように,幅20cmの厚紙を左右同じ長さだけ折り曲げ,切り口の長方形の面積を42cm²にします。厚紙を左右何cmずつ折り曲げればよいですか。

 例 2  連続する2つの整数があります。それぞれを2乗した数の和が85になるとき,この2つの整数を求めなさい。

解答

小さい方の整数をxとすると,大きい方の整数は[mathjax]\(x+1\)と表される。

[mathjax]\(\hspace{59pt}x²+(x+1)²=85\)
これを解くと,

[mathjax]\(\hspace{55pt}\begin{eqnarray} 2x²+2x-84 &=& 0\\ x²+x-42 &=& 0\\ (x-6)(x+7) &=& 0\\ x= 6,x=-7 & & \end{eqnarray}\)

[mathjax]\(x=6\)のとき,2つの整数は,[mathjax] \(6\),[mathjax] \(7\)
[mathjax]\(x=-7\)のとき,2つの整数は,[mathjax] \(-7\),[mathjax] \(-6\)
これらは,どちらも問題に適している。 

答 [mathjax] \(6\),[mathjax] \(7\)と[mathjax] \(-7\),[mathjax] \(-6\)

gkt-horizontal-line

<3年p.93>

 問 2  前ページの例2で,大きい方の整数をxとして方程式をつくり,答えを求めなさい。また,「連続する2つの整数」を「連続する2つの自然数」に変えると,答えはどうなりますか。

 問 3  連続する2つの自然数があります。大きい方の数の2乗から,小さい方の数の2倍をひいた差は26になります。この2つの自然数を求めなさい。

方程式をつくって問題を解くときには,前ページの例1や問2, 問3のように,方程式の解がそのまま問題の答えにならない場合がある。

 例 3  長さ10 cmの線分ABがあります。点PはAを出発してBまで動きます。このとき,AP,PBをそれぞれ1辺とする2つの正方形の面積の和が52cm²になるのは,点Pが何cm動いたときですか。

 考え方  2つの正方形の面積の和が52cm²であることから,点Pが動いた距離をx cmとして,PBをxを使って表し,方程式をつくる。

解答

点Pが動いた距離APをxcmとすると,[mathjax]\(PB=(10-x)\) cm
2つの正方形の面積の和が52cm²であることから,
[mathjax]\(\hspace{58pt}x²+(10-x)²=52\)
これを解くと,

[mathjax]\(\hspace{57pt}\begin{eqnarray} 2x²-20x+48 &=& 0\\ x²-10x+24 &=& 0\\ (x-4)(x-6) &=& 0\\ x=4,x=6 \phantom{0}& & \end{eqnarray}\)

[mathjax]\(0\leqq x \leqq 10\)であるから,どちらも問題に適している。   

答 4 cm,6 cm

 問 4  例3で,2つの正方形の面積の和が70cm²になるのは,点Pが何cm動いたときですか。

どんなことがわかったかな

身のまわりの問題の中には,数量の関係から2次方程式をつくり,2次方程式を利用して解決することができる問題があります。ただし,方程式の解が問題に適しているかどうかを,変域などを考えて確かめる必要があります。

gkt-horizontal-line

<3年p.94>

確かめよう 2節 2次方程式の利用

□ 2次方程式を利用して,問題を解くことができる。 ▷2次方程式の利用 ・P.92 例1

 1  右の図のように,正方形の土地の縦を2m短くし,横を3m長くしたところ,その面積が50m²になりました。もとの土地の1辺の長さを求めなさい。

□ 2次方程式を利用して,問題を解くことができる。 ▷2次方程式の利用 ・P.92 例2

 2  ある整数を2乗すると,その整数を6倍して27を加えた数と等しくなります。この整数を求めなさい。

gkt-horizontal-line

どれが解きやすい? Tea Break

[mathjax]\((x-3)²=25\)の解き方について考えてみましょう。
拓真さんは,次のように,「因数分解を使った解き方」で解きました。

左辺を展開して整理すると,
[mathjax]\(\hspace{9pt}x²-6x-16=0\)
左辺を因数分解すると,
[mathjax]\((x-8)(x+2)=0\)
[mathjax]\(x-8=0\) または [mathjax]\(x+2=0\)
[mathjax]\(x=8\),[mathjax]\(x=-2\)

答 [mathjax]\(x=8,x=-2\)

① 「平方根の考えを使った解き方」,「解の公式を使った解き方」でも解いてみましょう。
② 3つの解き方のうち,どの方法が解きやすいと思いますか。自分の考えを説明してみましょう。

因数分解の解き方の方が簡単でいいな。

avatar

avatar

どんな方程式でも解けるから解の公式がいいな。

gkt-horizontal-line

<3年p.95>

3章 「2次方程式」を学んで

 できるようになったこと  身のまわりの課題へ ▷ P.98

2次方程式を,因数分解や平方根の考えを使って解くことができる。

平方根の考えを使って解の公式を導き,それを使って解を求めることができる。

身のまわりや数学の中から見つけた問題を,2次方程式を使って解決することができる。また,方程式の解が問題に適しているかどうかを確かめることができる。

 さらに学んでみたいこと 

これからもっと学んでみたいことや,疑問に思ったことを書いておこう。

gkt-horizontal-line

数学へのいざない 小学生のガウス

ドイツの数学者ガウスには,小学生のとき,先生から出された「1から100までのすべての自然数の和はいくつか」という問題を,次のような計算ですぐに解いてしまったというエピソードが残っています。

ガウス (1777〜1855)
[mathjax]\(\begin{array}{l} \phantom{00000}1+\phantom{00}2+\phantom{00}3+\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots+\phantom{0}98+\phantom{0}99+100 \\ \underline{+\big{)}\phantom{0}100+\phantom{0}99+\phantom{0}98+\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots+\phantom{00}3+\phantom{00}2+\phantom{00}1} \\ \underbrace{ \ \phantom{000}101+101+101+\cdots\cdots\cdots\cdots\cdots +101+101+101}_{100 \mathsf{個}} \end{array}\)

[mathjax]\(101 \times 100 \div 2 = 5050\)

答 5050

⑴ 1からnまでの自然数の和はいくつでしょうか。この計算方法を使って求めてみましょう。
⑵ 1からnまでの自然数の和が78になるのは,nがいくつのときでしょうか。