<3年p.73>
3章 Chapter 3 2次方程式
1節 2次方程式の解き方
2節 2次方程式の利用
文字が2つの連立方程式も解けるようになったね。
加減法や代入法を使って,1次方程式に直して解いたね。
式の中に2次の項があったらどうなるかな。
1次方程式に直せれば解けそうだけど…。
? 2次の項がある方程式は解けるのかな?
<3年p.75>
最近では,学校や公共施設,一般家庭にも太陽電池が設置されるようになりました。
ある建物の屋根に太陽電池が設置されています。この太陽電池1枚で発電できる電力を,200W(ワット)とします。
この太陽電池を屋根全体に長方形にしきつめると,4800Wの電力を出力できるそうです。
【1】 太陽電池は全部で何枚あるでしょうか。
この建物の屋根に,太陽電池を長方形にしきつめると,横が縦より2枚多くなりました。
【2】 太陽電池は,縦に何枚しきつめてあるでしょうか。太陽電池の枚数に着目して,方程式をつくってみましょう。
上の問題について,次のような方程式をつくることができます。
[mathjax]\(x(x+2)=24\)
この式の左辺を展開すると,次のようになります。
[mathjax]\(x²+2x=24\)
1次方程式では,xに数を代入したり,等式の性質を使ったりして解を求めたね。
次の課題へ!
2次の項がふくまれている方程式も,1次方程式と同じように考えれば答えが求められるのかな?
P.76
<3年p.76>
1 2次方程式とその解
Q Question
xの2次式になっているね。
1次方程式は,どうやって解いたかな。
見方・考え方
1次方程式と同じように考えられるかな。
目標 ▷ 2次の項がふくまれている方程式について考えよう。
Qの方程式を整理すると,次のようになる。
[mathjax]\(x²+2x-24=0\)
一般に,すべての項を左辺に移項したときに,左辺がxについての2次式,すなわち,aを0でない定数,b,cを定数として,
[mathjax]\(ax²+bx+c=0\)
の形で表される方程式を,xについての2次方程式という。
たとえば,[mathjax]\(x²+2x-24=0\)は,
[mathjax]\(a=1\),[mathjax]\(b=2\),[mathjax]\(c=-24\)
の2次方程式である。
問 1 次の㋐〜㋓の方程式のうち,2次方程式はどれですか。
㋐ [mathjax]\(x²+2x+1=0\)
㋑ [mathjax]\(x²-6x=0\)
㋒ [mathjax]\(4x-8=0\)
㋓ [mathjax]\((x+3)(x-8)=0\)
<3年p.77>
2次方程式の解
Q Question
前ページの方程式[mathjax]\(x²+2x-24=0\)を成り立たせるxの値を調べましょう。
⑴ xに[mathjax] \(-4\)から4までの整数を代入して,方程式が成り立つかどうかを調べてみましょう。
⑵ この方程式を成り立たせるxの値は⑴で見つけた値のほかにあるでしょうか。ある場合には,その値をいいましょう。
左辺の式の値がいくつになったとき,この方程式が成り立つといえるのかな。
見方・考え方
いろいろな数を代入して考えられるかな。
2次方程式を成り立たせるxの値を,その2次方程式の解といい,解をすべて求めることを,その2次方程式を解くという。
Qで調べた結果から,xが[mathjax] \(-6\)と4のとき,方程式[mathjax]\(x²+2x-24=0\)が成り立つ。
したがって,[mathjax] \(-6\)と4は,ともに2次方程式[mathjax]\(x²+2x-24=0\)の解である。
太陽電池の枚数は正の数だから縦が4枚のときが答えだね。
問 2 [mathjax] \(-2\),[mathjax] \(-1\),[mathjax] \(0\),[mathjax] \(1\),[mathjax] \(2\)のうち,2次方程式[mathjax]\(x²+2x=0\)の解はどれですか。
問 3 次の㋐〜㋓の方程式のうち,[mathjax] \(-1\)と3がともに解である2次方程式はどれですか。
㋐ [mathjax]\(x²+2x-3=0\)
㋑ [mathjax]\(x²-9=0\)
㋒ [mathjax]\(x²+6x+5=0\)
㋓ [mathjax]\(x²-2x-3=0\)
どんなことがわかったかな
2次方程式の解は,文字に数を代入すれば,解かどうか調べることができます。
次の課題へ!
文字に数を代入しないで2次方程式を解く方法はあるのかな?
P.78
<3年p.78>
目標 ▷ 文字に数を代入せずに,2次方程式を解く方法を考えよう。
Q Question
次の㋐〜㋕の2次方程式を解くことができるかどうか考えてみましょう。
見方・考え方
式の形に着目して考えられるかな。
㋐ [mathjax]\((x-2)(x+3)=0\)
㋑ [mathjax]\(x²=4\)
㋒ [mathjax]\(x²-25=0\)
㋓ [mathjax]\(x²+6x−5=0\)
㋔ [mathjax]\(x²+8x=0\)
㋕ [mathjax]\((x-3)²=5\)
拓真さんの考え
㋐は,[mathjax]\((x-2)\times(x+3)=0\)のことだから,数の計算と同じように考えると,[mathjax]\((x-2)\)か[mathjax]\((x+3)\)のどちらかが0であれば,その積も0になる。すなわち,㋐の場合,左辺が,[mathjax]\(x-2=0\)または [mathjax]\(x+3=0\)のとき,方程式は成り立つ。
このことから,右辺を0にして,左辺が因数分解できれば,方程式を解くことができる。
美月さんの考え
㋑は,平方根の考えを使うと,
このことから,左辺が2乗の形になっていれば,方程式を解くことができる。
1 上の拓真さんの考えで,㋐の方程式の解を求めてみましょう。また,この考え方で解ける2次方程式は,ほかにもあるでしょうか。
2 上の美月さんの考えで解ける2次方程式は,ほかにもあるでしょうか。
3 上の2人の考えで解くことができない2次方程式はあるでしょうか。
次の課題へ!
どんな2次方程式なら,因数分解の考えを使って解けるのかな?
P.79
次の課題へ!
どんな2次方程式なら,平方根の考えを使って解けるのかな?
P.82