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 深めよう POSデータとABC 分析

POSデータのPOSとは,「Point-of-Sales」の略です。POSデータとは,「販売情報」のことであり,「何が,いつ,いくつ,いくらで売れたのか」を示します。この「販売情報」を活用するためのしくみとして構築されるのが,「POSシステム」です。

この「POSシステム」は,売上高を把握したり,在庫を補充したり,新たな商品を仕入れたりするために,重要な役割を担っています。そして,この「POSシステム」で大切なことは,「データの活用」にあります。POSデータにはいろいろな分析の方法がありますが,ここではABC分析について紹介します。

ABC分析とは,データをもとに商品をA,B,Cの3 項目に分けて重要度をはっきりさせます。たとえば,重要度を売上高とした場合,売上高の順に取り扱い商品を並べ,売上高の高い順に商品をA,B,Cに分けます。その重要度にそって,商品の発注などを効率的に行います。

❶ 表計算ソフトを使って,POSデータのABC分析を簡単な場面でやってみましょう。右のような,あるスーパーマーケットの野菜の売上高のデータがあります。次の手順で,ABC分析をしてみましょう。

①売上高の高い順に並べかえる。

②相対度数を求める。

③累積相対度数を求める。

④累積相対度数が[mathjax]\(0.8\) 以下をA,[mathjax]\(0.8\) より大きく[mathjax]\(0.9\) 以下をB,[mathjax]\(0.9\)より大きく[mathjax]\(1.0\) 以下をCとする。

以上で完成です。これより,どの品目が売上高に貢献しているのかを判断することができます。優先的に発注するものや,商品の取り扱いを中止するかどうかを検討する判断に使うことができます。

取り扱い商品の重要度は売上高だけではなく,売上総利益や販売個数なども重要度となり得るので,事業の実態に合わせて複数の重要度にそって分析することが大切です。