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<1年p.231>

2 立体の体積

 角柱,円柱の体積

 問 1  次の四角柱,円柱の体積を求めましょう。

⑴ 四角柱

⑵ 円柱

小学校で学んだように,角柱や円柱の体積は,(底面積)[mathjax]\(\times\)(高さ)で求めることができる。

角柱,円柱の体積
底面積[mathjax] \( S \) cm²,高さ[mathjax]\(h\) cmの角柱,円柱の体積を[mathjax] \( V \) cm³とすると,
[mathjax]\(V=Sh\)

 注意  [mathjax]\(h\) はheight(高さ),[mathjax]\(V\) はvolume(体積)の頭文字である。

 問 2  次の立体の体積を求めなさい。

⑴ 四角柱

⑵ 底面が半円の立体

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<1年p.232>

 角錐,円錐の体積

Q  Question

底面積が等しく高さも等しい角柱と角錐,円柱と円錐の容器を使って,2つの体積を比べてみましょう。どんなことがわかるでしょうか。

見方・考え方 

実験をもとに,それぞれの立体の体積の関係を考えられるかな。

角錐や円錐に入れた水は,角柱や円柱に何杯入るかな。

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 目標 ▷ 角錐,円錐の体積について調べよう。

【Q】の結果から,角錐,円錐の体積は,それぞれ底面積が等しく高さも等しい角柱,円柱の体積の[mathjax] \( \dfrac{1}{3}\)であることがわかる。

角錐,円錐の体積
底面積[mathjax] \( S \) cm²,高さh cmの角錐,円錐の体積を[mathjax] \( V \)cm³ とすると,

[mathjax] \( V=\dfrac{1}{3}Sh\)

 問3  次の立体の体積を求めなさい。

⑴ 正四角錐

⑵ 円錐

どんなことがわかったかな

底面積[mathjax] \(S\),高さ[mathjax] \(h\)の角錐,円錐の体積をVとすると,[mathjax] \(V=\dfrac{1}{3}Sh\) で求めることができます。

次の課題へ!

球の体積も同じように求めることができるのかな?

↓P.235

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<1年p.233>

模型で考える角錐の体積 Tea Break

【1】 巻末②にある展開図を使って,四角錐を3個つくり,それらを組み合わせて立方体をつくってみましょう。

【1】から,上の四角錐の体積は,その底面を1つの面とする立方体の体積の[mathjax] \( \dfrac{1}{3}\)  であることがわかります。

【2】 巻末②にある展開図を使って,正四角錐を6個つくり,それらを組み合わせて立方体をつくってみましょう。

【2】から,上の正四角錐の体積は,その底面を1つの面とした,高さが2倍の立方体の体積の[mathjax] \( \dfrac{1}{6}\)  であることがわかります。

【3】 【1】,【2】から,四角錐の体積が,それぞれ底面積と高さが等しい四角柱の体積の[mathjax] \( \dfrac{1}{3}\) であることを説明してみましょう。

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<1年p.234>

3 球の表面積と体積

 球の表面積

Q  Question

半径5 cmの球の表面に,右の写真のように,ひもを全体にすき間なく巻いたものをほどいて,円になるように巻き直すと,半径10 cmの円になりました。球の表面積について,どんなことがわかるか話し合ってみましょう。

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球の表面積と,円の面積は同じになるといっていいのかな。

ほかの立体のように,面積を求める公式がつくれるかな。

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見方・考え方 

球の表面積を円の面積におきかえて考えられるかな。

 目標 ▷ 球の表面積や体積について調べよう。

一般に,半径[mathjax]\(r\) cmの球の表面積は,半径[mathjax]\(2r\) cmの円の面積と等しくなる。したがって,半径[mathjax]\(r\) cmの球の表面積は,次のようになる。

 

[mathjax] \(\begin{eqnarray} & & \pi \times (2r)²\\ &=& \pi \times 2r\times 2r\end{eqnarray}\)

[mathjax] \(= 4\pi r²\) (cm²)

[mathjax] \( \begin{eqnarray} & & \pi \times 2r \times 2r \\ &=& 2\times 2 \times \pi \times r\times r\\ &=& 4\pi r²\end{eqnarray}\)

球の表面積
半径r cmの球の表面積を[mathjax] \( S \)cm²とすると,
[mathjax] \( S=4\pi r²\)

 問 1  半径4 cmの球の表面積を求めなさい。

 問 2  右の図のような半径3 cm,中心角[mathjax]\(90^{\circ}\)のおうぎ形を,直線 ℓ を軸として1回転してできる立体の表面積を求めなさい。

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<1年p.235>

 球の体積

Q  Question

半径5 cmの半球の容器Aと,底面の半径が5 cm,高さが10 cmの円柱の容器Bを使って,2つの体積を比べてみましょう。球の体積について,どんなことがわかるでしょうか。

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半球と円柱の体積にはどんな関係があるのかな。

半球に入れた水は,円柱に何杯入るのかな。

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見方・考え方 

角錐や円錐の体積を考えたときと同じように考えられるかな。

【Q】から,半球Aの体積は,円柱Bの体積の[mathjax] \( \dfrac{1}{3}\) になることがわかる。このことから,半径r cmの球の体積を[mathjax] \( V \)cm³とすると,半径r cm,高さ2r cmの円柱をもとにして,次のように考えることができる。

[mathjax] \(\begin{eqnarray} V &=&\require{physics} \left( \pi r²\times 2r\times \frac{1}{3}\right) \times 2\\ &=& \dfrac{1}{3}\times 2\times 2\times \pi \times r²\times r\\ &=& \dfrac{4}{3}\pi r³\text{(cm³)}\end{eqnarray}\)
[mathjax] \(\begin{eqnarray} & & r²\times r\\ &=& r \times r \times r\\ &=& r³\end{eqnarray}\)

球の体積
半径r cmの球の体積を[mathjax] \( V \) cm³とすると,
[mathjax] \( V=\dfrac{4}{3}\pi r³\)

 問 3  半径4 cmの球の体積を求めなさい。

 問 4  前ページの問2の立体について,その体積を求めなさい。

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<1年p.236>

▲トライ  223ページの 1 の図について,これまでの学習をもとに考えてみよう。

㋐底面の半径が5 cm,高さが10 cmの円錐
㋑半径5 cmの球
㋒底面の半径が5 cm,高さが10 cmの円柱

⑴ ㋐の体積を1とすると,㋑,㋒の体積はいくらになるでしょうか。
⑵ ㋑の表面積と㋒の側面積を比べてみましょう。

どんなことがわかったかな

半径[mathjax] \(r\)の球の表面積を[mathjax] \(S\)とすると,[mathjax] \( S=4\pi r²\)で求めることができます。
半径[mathjax] \(r\)の球の体積を[mathjax] \(V\)とすると, [mathjax] \( V=\dfrac{4}{3}\pi r³\)で求めることができます。

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確かめよう 2節 立体の表面積・体積

□ おうぎ形の弧の長さや面積を求めることができる。 立体の表面積 P.227問8

 1  半径12 cm,中心角[mathjax]\(240^{\circ}\)のおうぎ形の弧の長さと面積を求めなさい。

□ 円錐の表面積を求めることができる。 立体の表面積 P.229問9

 2  右の図の円錐の底面積,側面積,表面積を求めなさい。

□ 立体の体積を求めることができる。 立体の体積 P.231問2 P.232問3

 3  次の立体の体積を求めなさい。

⑴ 底面の半径が10 cm,高さが15 cmの円柱
⑵ 底面積が60 cm²,高さが8 cmの五角錐

□ 球の表面積や体積を求めることができる。 球の表面積と体積 P.234 問1 P.235 問3

 4  直径6 cmの球の表面積と体積を求めなさい。

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<1年p.237>

6章 「空間図形」を学んで

 できるようになったこと  身のまわりの課題へ P.240,241

空間内の直線や平面の性質を理解することができる。

立体を投影図,展開図,見取図で表したり,面が動いてできる図形とみたりすることができる。

立体の表面積や体積を,小学校で学んだことを生かしたり,実験から求め方を導いたりして求めることができる。

 さらに学んでみたいこと 

これからもっと学んでみたいことや,疑問に思ったことを書いておこう。

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数学へのいざない オイラーの多面体定理 発展

へこみのない多面体の頂点の数,辺の数,面の数の関係について,次のようなオイラーの多面体定理と呼ばれるものがあります。頂点の数をt,辺の数をs,面の数をmとすると,次の式が成り立ちます。

[mathjax] \(t-s+m=2\)

いろいろな多面体で,確かめてみましょう。この定理の名前にあるレオンハルト・オイラー(1707〜1783)は,スイスの数学者で,数学のさまざまな分野で業績を残しています。オイラーの定理,オイラーの公式と呼ばれるものは,ほかにもたくさんあります。どんなものがあるか調べてみましょう。

レオンハルト・オイラー